米国・欧州の今後の方針は製造業回帰の推進で、さらに政府の再工業化戦略により、産業競争の優勢を取り戻すことになる。オバマ政権は新エネルギー産業をモデルチェンジ、経済危機への対応、国内の雇用促進、省エネ・排出削減の促進の重要な手段としている。米国はまた高付加価値の製造業(先進的な製造技術、スマート型製造、新エネルギー、バイオ技術、情報科学技術などの新興産業)の発展に取り組み、高い競争力を持つ新工業システムを再構築する。
米国はさらにエネルギー自給の道を歩み始めており、本国のシェールガスを大々的に開発している。これにより中東およびカナダからの石油・天然ガス輸入を減らし、コスト削減につなげる。この変化と再工業化を結びつけることで、米国の経済競争力を高めると同時に、世界の産業分業化および戦略構造に対して深い影響を与え、中国に大きな打撃を与える。中国のハイエンド製造業は将来的に米欧からの圧力を受け、ローエンド製造業も東南アジア諸国のシェア争奪に直面し、板挟みの苦境に立たされるだろう。産業のアップグレード・モデルチェンジは、いずれも大きな課題に直面する。
中国の製造業は世界一となっているが、人件費の高騰や環境保護基準の引き上げに伴い、中国の比較優勢が急速に失われる。米国主導の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が締結されれば、中国製造業の輸出市場が封じ込めにあい、各国の東南アジアへのシフトが加速されるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年3月31日