▽元の対ドルレートの弾力性を高めることは可能
証券会社・申銀万国のマクロアナリスト李慧勇アナリストの分析によると、歴史をひもとけば、日本が金融緩和政策を実施した初めの頃には中国の流動性や株式市場にプラスの波及効果があり、これに中日間の金利差の拡大が加わって、日本の低コストの資金が対外直接投資(FDI)や適格海外機関投資家(QFII)などのルートを通じて中国に流入することになる。こうして中国では輸入型のインフレ圧力が拡大し、外貨準備の投資先である円建て資産の価値が目減りすることになるという。
それだけではない。中国の輸出貿易も課題に直面している。金融問題の専門家・趙慶明氏によると、日本経済低迷の根本的な原因は輸出の不振にあり、日本は円安を通じて輸出を活性化させたい考えで、このことが中国から日本への輸出に直接影響を与えるとみられる。また人民元が値上がりすれば、ホットマネーが日本から中国に流れ込み、中国の外国為替資金残高が継続的に増加し、インフレ圧力が拡大することになる。だが元が値下がりすれば通貨安競争が始まり、最終的には共倒れになることが予想される。