中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した第1四半期の金融・社会融資規模のデータによると、3月の金融機関の新規貸付及び直接金融による融資額の規模はいずれも予想以上に伸びた。12日付中国証券報が伝えた。
アナリストは「現在、流動性の緩和傾向が続いている。当面中立的金融政策が維持されると見られており、年内の利上げ或いは預金準備率の引き上げの可能性は小さく、経済回復にとっては好条件となる」との見方を示している。
◆第1四半期の資金需要が旺盛
3月の貸付の放出額と社会融資総量はいずれも予想を上回る増加ぶりを見せている。3月、人民元建て新規貸付額は1兆600億元で、前年同期に比べ515億元増加した。社会融資規模は2兆5400億元で、前月比で1兆4800億元、前年同月比で6739億元の増加となった。
交通銀行のチーフエコノミスト・連平氏は「新規貸付が大幅に伸びた要因の一つとして、経済成長が穏やかに回復し、実体経済の貸付需要が安定して伸びていることが挙げられる。二つ目に、四半期末に預金が大幅に増加し、銀行の預貸率面の圧力が緩和されたことで、資金力が大幅に強化された。また、四半期末の貸し出し規模の調整も新規貸付の拡大につながった。第1四半期の新規貸付額は2兆7600億元で、通年の予測目標9兆元で計算すると、新規貸付額が占める割合は30.7%、概ね通常の放出ペースである」と見ている。