日銀の対政府取引および歳出拡大の支持は、政府債の危機、悪性インフレ、社会危機を引き起こす可能性がある。安倍政権が打ち出している財政政策は、歴代政権が実施した計14回の刺激策と実質的な差がなく、その刺激作用は短期的なもので、長期的に政府債務の比重を高めることになる。
またこれまでとは異なり、日本の政府債務は深刻化している。国内のインフラが完備されており、政府による投資は低効率だ。日本の国債残高の対GDP比は、2012年末の時点で237%(政府の税収の24倍)に達した。政府はすでに債務返済能力を失っている。債務危機が発生しないのは、国債の92%が国内投資家に握られており、資金調達がしやすくコストが割安なためだ。政府が歳出をさらに拡大した場合、負の影響が深刻化する。