さらに注意すべきなのは、円安が為替裁定取引、つまり異なる市場の間でのレートの差異を利用して利益を得る動きを誘発する可能性があること である。この状況を生み出す要素としては、第一に日本円の通貨流通量規模の増加、第二に日本円資産の収益率の状況、第三に日本円の動きと日本 の貨幣政策、為替干渉政策である。現在、こうした状況はすでに整っている。日本の国債と日銀の負債が不断に拡大する中、日本円の大規模な緩和 政策は外国為替の購入の動きに拍車をかけ、日本円の外への流出は世界の流動性を大きく高めることとなる。
日本円による為替裁定取引の状況はす でに10年余りにわたって続いており、金融危機前の日本円の金融性為替裁定取引の規模は1千億ドルから1兆ドルに達していたと言われる。最近 の調査によると、日本の人々のリスクテークの意欲は高まっており、「現金を持っているよりも証券資産を保有していた方がいい」と考える人が増 えているという。日本円の値下がり傾向は続いており、日本円を売って外貨資産を購入しようとする流れはますます強まっている。“主婦投資家” を含むトレーダーらは円安継続を見越して新興市場の通貨を買う動きに出ており、新興市場の金融通貨体系に影響を与え始めており、中国もこのリ スクを細心の注意をもって見守る必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年4月16日