第3の要素は、新技術の展示と、今後のすう勢の把握だ。海外の5大モーターショーの背後には、米・独・日といった成熟した自動車工業体系があり、科学技術とすう勢によりその発展を促しているとされていた。しかし中国は今日、世界自動車工業の利益の核心であり、同時に技術の核心に変化しつつある。このすう勢は今後さらに際立つようになるだろう。
上海モーターショーでは、より先進的な動力システム、電子システム、車載ネットワーク、新材料の応用が展示され、新技術や車の将来的なデザイン理念を理解することができる。この技術の雰囲気は、中国メーカーの研究開発の意欲をかきたて、本土技術の発展を促すだろう。
金融危機が世界を席巻した際、西側諸国は唯一好調をキープした中国経済から、その巨大な潜在力を見て取った。デトロイトモーターショーとフランクフルトモーターショーの衰退は、世界経済の中心と核心市場の移転の予兆だ。パリモーターショーと東京モーターショーの低迷は、双方を地域のモーターショーに没落させている。前者はフランス車の独壇場で、後者は日本メーカーのお祭りのようになっている。ジュネーブモーターショーも近年になり低迷の様相を呈し始めており、今年の世界初公開機種とコンセプトカーの数は、上海モーターショーを大きく下回った。これはロイター通信の数年前の予想通りであり、「世界クラスのモーターショー」はもはや上海モーターショーしか残されていないかもしれない。