▽中国の輸出圧力が増大
ある分析によると、中韓間の貿易競争は中日間の貿易競争よりも激しく、大幅な円安に大幅なウォン安が加わり、今後は中国の輸出に影響が出ることが考えられる。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の楊宇霆シニアエコノミストによると、中国と韓国、日本との貿易は競争関係にあるだけでなく、アジア全体が一つの供給チェーンになっている。たとえば、日本と韓国の自動車や電子製品などは、中国で生産され、組み立てられて海外に輸出されており、貿易全体として考えれば影響はそれほど大きくない。注意すべき点は、両国の通貨が値下がりすると、対中直接投資の意欲が低下するということだが、これも影響はそれほど大きくない。人材コストが上昇し、海外資本による対中投資に影響が出ているが、中国の巨大な消費市場が新たな吸引力を発揮しているという。
宏源証券固定資産部門の范為チーフエコノミストによると、中国の産業のグレードアップに伴い、今後このような供給チェーンの関係が競争関係に転化する可能性が高く、日韓両国の通貨安が中国の輸出にマイナス影響を与えることは確実だという。