世界に新たな金利引き下げの波が訪れる中、米連邦準備制度理事会(FRB)は逆の動きをみせ、通貨政策の転換の準備を始め、緩和政策終了のルートマップ制定に着手した。米国が退却戦略を採れば、米ドルが中・長期にわたって値上がりすることになり、世界の流動性、資本の流れ、グローバル金融市場にはっきりとした深いレベルの影響を与えることは確実だ。かつてみられた「ヒツジの毛の刈り取り」(ある国の市場に大量のホットマネーが流入し、バブル状態が出現した後に一気に資金が引き揚げられることにより、その国の経済が破綻状態に追い込まれること)が再び出現し、グローバル経済・金融の運営、外国為替市場、資産価格にとって新たなダメージになる可能性がある。
中国は連鎖的なリスクを軽視してはならない。FRBの量的緩和政策が終われば、中国における国境を越えた資本の双方向の変動が一層激しくなり、段階的な資本の集中的流出をもたらして、中国の金融システムにリスクがもたらされる可能性を排除できないからだ。政策決定当局は早急にリスク防止をめぐって先を見通す力を強化し、重点分野での厳格・厳密な配置とコントロールを行わなければならない。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年5月14日