日本経済はなぜバブル崩壊後の20数年間に渡り、かつての力を取り戻せずにいるのだろうか。その重要な問題は円高の進行と、当時推進されていた産業政策で、1990年の日本では産業空洞化がほぼ形成されていた。日本の伝統的な「ローエンド産業」は東南アジアにシフトし、「強みを持つ産業」は貿易の障壁を避けるため、欧米現地に大規模な直接投資を行った。しかし日本本土が達成しようとしている「産業のアップグレードとモデルチェンジ」は、まだまだ終わりに近づいていない。
また当時の日本は米国に学び、アジアの金融センターを構築し、金利生活国になろうと取り組んでいた。
しかしこの夢はすぐに潰えてしまった。まず米国は、世界にもう一つの金融競争者が現れることを認めなかった。次に日本の産業空洞化により、金融が産業の支援を失い、バブル化してしまった。