政治面を見ると、日本の東南アジア回帰はまさに絶好のタイミングだ。世界的な大勢から見て、米国は軍事力の重心を東に移し、アジア太平洋における実効支配を強化しようとしている。米国はこれにより中国に圧力をかけ、同地域で力を増す中国の指導力を抑制する狙いがある。米国のアジアにおける盟友である日本は、その成り行きを楽観的に見守っている。1988年にミャンマー軍事政権が成立すると、日本は米国の制裁措置に追随し、一部の主要な支援プロジェクトを中止した。しかし近年、米国とミャンマーの関係は徐々に雪解けし、暖かさを取り戻している。日本は「虎の威を借る狐」の如く、米国がすでに踏み出した一歩に続きミャンマーに進出し、経済・政治関係を回復したがっている。これは米国とミャンマー政府の顔を立てることにもなる。地域情勢を見ると、安倍政権の誕生後、日本では右傾化が深刻になっている。日本は中国との関係で膠着状態に陥り、韓国・朝鮮との関係にも改善は見られない。日本はASEANで友好国を作ることで、北東アジア諸国とのにらみ合いを相殺する必要がある。ミャンマーは中国の伝統的な友好国だが、日本がミャンマーとの関係を改善し、国際社会に向けて良好なイメージを形成すれば、これは中国の屋台骨を崩し、中国を苦しめるも同然だ。
率直に言えば、安倍首相のミャンマー戦略、経済面の目論見は成功する望みがあるが、政治面の目論見は実現不可能と思われる。中国とミャンマーの伝統的な友好関係は根強く繁栄したもので、外部の力により変化が生じることはない。また中国も対ミャンマー政策を適時に調整し、より柔軟で実務的な外交政策をとることができる。しかし日本企業によるミャンマーの集団訪問には、警戒が必要だ。外国企業はなぜ東南アジアに押しかけているのか。中国はどのような措置を講じ、コストを抑制するべきか。中国の発展戦略に合致する外国企業をいかに引き留めるべきか。これらの問題について、中国は反省し解決しなければならない。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年5月28日