中国の対日輸出は今年年初から4月まで下降をたどった。4月の人民元対日本円レートは6.1%の上昇、中国の対日貿易成長率は前年同月比マイナス1.2%で、1月から7ポイント近く下がった。国際社会からは、「円安の最大の敗者は中国ではないか」という声も聞かれている。日本は、円レートの大幅引き下げによって中国に経済侵略を加えているとも言える。
中国の対外貿易は、世界第三の経済国からの重層的な攻撃を受けている。中国に対する金融政策と為替政策は大きな圧力を生んでいる。中央銀行が長年にわたって取って来た「穏健な金融政策」は、外部環境の変化に対応できていない。単独の国のもしくは短期的な為替と金融の政策に変化が出ているだけなら、対応の遅れの影響はそれほど大きくない。だが米国を筆頭とする主要経済国やアジアの国々がそろって大型緩和・低金利・自国通貨引き下げの政策を取り、さらにこの政策が長期的なものになれば、中国経済には大きな影響が出ることになるだろう。