まず、中国企業の負債比率は外国を大きく上回っており、多くの流動性が生産ではなく減債に流入している。企業の資金チェーンが断裂すれば、流動性リスクが金融の安定を脅かすことになる。
世界的な金融危機の主因は、先進国の高すぎる負債水準だ。危機の発生後、先進国は負債処理を開始した。中国は米国と異なり、金融危機に対応するため、2009年より投資・信用貸付を大幅に拡大しており、企業の負債比率が高まっている。
中国の2012年の社会融資規模は15兆7600億元に達し(前年比2兆9300億元増、2002年の7.8倍)、過去最高水準となった。通年の社会融資規模の対GDP比は30.4%で、2011年から3.3ポイント、2002年から13.7ポイント上昇した。中央銀行が発表した「2013年中国金融安定報告書」によると、2012年末に企業の長期債務返済能力が低下し、5000社の工業企業の資産負債比率が前年同期比0.4%上昇の61.4%に達した。また一部の学者は、2012年の中国の非金融部門の債務がGDPの2.21倍に達すると推算した。非金融部門の債務残高規模に基づき計算すると、1年間の利子支払いだけでも6兆元以上に達し、通年の社会融資規模の3分の1を占める。これは社会融資規模とGDP成長率が足並みをそろえていない理由を示している。債務残高の正常な利子支払いの維持は、金融安定の重要な面に関わる問題だ。