▽貿易紛争がレベルアップ
シームレスステンレスパイプの案件は、先に発生した中・欧間の太陽光パネルやワインをめぐる紛争とは無関係だが、アナリストの中には、この案件は中・欧貿易紛争が新たな局面にレベルアップしたこと、貿易をめぐる「戦火」が鉄鋼産業にまで拡大したことを明らかに示すものと指摘する人もいる。
張アナリストによると、中国はこのような貿易紛争に積極的に対応しなくてはならない。中国の鉄鋼製品輸出はこれまでずっと海外政府がたびたび発動する反ダンピング・反補助金調査に直面しており、回避政策では問題の解決にならないことが確かだからだという。
EUが今年2月、WTOが提起した中国のX線スキャナーに対する関税問題で勝利を収め、中国の貿易保護措置に対する挑戦で初めて成功したことには注意する必要がある。それでは中国が特殊鋼管に対し高額の関税を課したことをめぐるこのたびのWTOへの訴訟の提起は、一体どれほど注目を集めるだろうか。