◆経営再建に向けた打開策
データによると、シャープは今年3月21日までの2012年会計年度の赤字額が53億7000万ドルに達し、創業100周年以来の記録を更新した(2011年度は37億ドルの赤字)。シャープは昨年より外部からの投資を積極的に模索しており、一部の資産を売却し、大規模な人員削減計画を実施し、苦境を脱しようとしている。クアルコムの出資は、シャープの危機を緩和することが可能だ。
任氏は、「クアルコムの出資は、シャープの技術・イノベーション能力を評価しているためだ。シャープはパネルの最先端の技術を持っており、スマートフォン事業に積極的に進出しようとしている。シャープは新発売したスマートフォンに、業界初のジェスチャーセンサーとRGB照度センサーを搭載しており、機能面でその他のスマートフォンを上回っている。シャープは経営危機に陥っているが、大きな発展の潜在力を持っている」と分析した。
任氏は、「シャープは出資を受け、現在の資金面の圧力を効果的に緩和できる。これはシャープの発展にとって重要なターニングポイントであるが、劣勢を挽回できるかについては、今後の経過を見守る必要がある。シャープは将来的に事業の重心をスマートフォンに移す可能性がある。スマートフォンは市場拡大が期待されており、シャープは順調にモデルチェンジを行えば、テレビ市場の判断ミスを補える」と語った。
任氏はまた、「シャープは今後、消費者の好みと市場の需要に対して高い敏感度を維持し、技術を重視し市場を軽視することの再発を防がなければならない。シャープのスマートフォン・テレビ事業への投資は、企業の発展状況に基づき適切に実施しなければならない。クアルコムがシャープ第3の株主になったことは、家電市場全体に与える影響は小さいが、シャープの今後の発展方向に重要な影響を与える」と予想した。