◆険しい提携の道
シャープは提携探索の道で、紆余曲折を経ている。最も印象に残っているのは、鴻海精密工業(ホンハイ)との蜜月関係の終了だろう。
シャープの奥田隆司会長は昨年3月、世界最大のEMS企業のホンハイと資本・経営面で提携すると表明した。ホンハイは2013年3月下旬までに、シャープ株の約9.9%を保有し筆頭株主になり、さらに大型液晶パネルを生産する堺工場を共同経営していた。しかしシャープの株価続落に伴い、ホンハイによるシャープ株購入が先送りされた。
最新情報によると、ホンハイとシャープの提携が暗礁に乗り上げており、ホンハイはさらにディスプレイ事業を自力で推進することを検討しているという。両社の蜜月関係は、終わりを告げられた。クアルコムはこのほど順調にシャープへの出資を完了したが、これはホンハイとシャープの提携が完全に解消されたことを意味するものだろうか。家電業界専門家の趙慧智氏は、「ホンハイのシャープ出資は、液晶パネルの提携強化を目的としていた。一方でシャープの狙いは、資金面の危機緩和にすぎなかった。異なる目的により、両社の提携にはさまざまな壁が生まれた」と指摘した。