円安は日本の経済成長を刺激したが、中国に引き締め効果をもたらした。
筆者が集めたドル・円レートとドル・ウォンレートのデータを見ると、2013年以降、ウォン相場の動向が急に円と足並みを揃えるようになったことが分かる。
その重要な原因は、世界産業構造の序列において、韓国と日本の間に高い競争性が存在することだ。これまで円相場が過大評価されていたため、ウォンは円相場の変化を気に留めていなかった。しかし安倍首相による量的緩和策を受け、大幅な円安は韓国の産業の脅威となった。円安の不利な影響を最大限に抑えるため、ウォンは2013年より円の動向に注視するようになった。
韓国の現在の産業構造は、中国と多くの点で重なっている。これは中国の産業グレードアップが、これから登ろうとしている次の産業段階でもある。しかしながら、円安に追随するウォン安は、中国の産業グレードアップの通路を直接封鎖した。
造船業を例とすると、最も分かりやすく説明できる。中国は2010年に初めて世界一の造船大国になり、2011年もその座を維持したが、2012年に再びこの玉座を韓国に譲り渡してしまった。