▽モデルチェンジで景気回復にチャンス
中国は今、自主的に成長率を減速させ、モデルチェンジ・アップグレードの推進に力を入れている。米国の経済学専門家は、「中国・米国の経済は今、いずれも重要な時期を迎えている。中国国内で推進されている経済構造の転換は、米国の景気回復に重要なチャンスをもたらすだろう。両国は米中戦略・経済対話を新たなきっかけとし、経済貿易分野での協力をより一層推進していくべき」との見方を示している。
経済学者のスティーブン・ローチ氏は、「消費でけん引するという中国の経済成長モデルは、米国に10億人あまりの消費市場をもたらす。また、中国はまもなくサービス業の爆発的成長期を迎えるが、これに伴い、今後20年で外資企業に6兆ドルのビジネスチャンスがもたらされるだろう」と指摘する。
中米のシンクタンクが共同で作成した研究報告書「中米経済貿易関係の未来の10年:深化する互恵協力」は、中米協力の未来をはっきりと描き出している。同報告書は、米国の対中輸出拡大により、2022年には米国のGDPが4600億ドル上昇し、334万人の雇用機会をもたらす(2010年比263万人増)と予測している。もし米国がハイテク製品や石油・天然ガスの対中輸出制限を緩和すれば対中輸出額はより大きくなる。