まずは人民元為替レートの変動幅をより一層拡大し、人民元の弾力性を高めることである。2013年年始から、市場では人民元高の圧力が高まり、この圧力は中央銀行による基準値の調整では効果的に解消することができず、人民元の一方的な切り上げ観測をより一層強めたことで、利ざや稼ぎや投機目的の短期資本の大規模な流入を助長した。人民元為替レートの変動幅を拡大し、双方向の変動における弾力性を高めることは、切り上げ観測の解消につながり、市場観測の安定にもプラスに働く。
米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)の縮小及び停止に向けて動いていることで、人民元為替レートの弾力性向上はより緊急性を要してきている。量的緩和が一度終了すれば、人民元は切り下げ圧力にさらされ、弾力性に乏しい為替レートにより、市場はすばやく需要と供給の均衡を取り戻せない。その結果、切り下げ圧力は長期的な切り下げ観測に変わり、大量の資金流出が短期的に集中し、金融市場のシステマティックリスクを招く。