アップルの大中華エリアでの第3四半期営業収入は前期比43%と大幅に減少し、前年同期比でも14%の減少だった。ティム・クック最高経営責任者(CEO)によると、こうした現象の起きた原因 は、香港地区や台湾地区を含む中華エリア全体の経済がそれほど順調でなかったことにある。こうした判断の根拠は、これまでずっとこのエリアでアップルの市場を脅かしてきた韓国のサムスンで さえ、このほど発表した7月の利益報告をみるとそれほど楽観できる情況ではないからだ。経済情勢はわれわれに利益を与えてくれず、他の企業にも利益を与えてくれない。それでもなおアップル の大陸部での売上は5%増加したという。
ある市場アナリストによると、アップルへの信頼が損なわれた最も重要な原因は、クックCEO率いるアップルがイノベーションの切れ味を失っていることにある。これまでは3年前に発売された タブレットコンピューター「iPad」(アイパッド)がアップルのイ ノベーションの里程標とみられてきた。だが最近のアップルは、既存製品を改良したりバージョンアップしたりという小幅の修正を加えるだけで、市場の信頼感をがっちりつかむことのできる新製 品をうち出していない。