第三に、中国自身が経済成長モデルの転換という重要任務に直面しており、大量・安価・非熟練の労働力に頼って成長してきた従来のモデルを早急に書き換える必要がある。
中国は十二五で、第三次産業の付加価値、都市化のレベル、GDPにおける研究開発費用の割合、特許の件数、汚染物質排出量、都市における社会保険のカバー率といった各種の評価指標を強調した。ここからわかることは、中国のこれからの発展目標は「速度より質」だということだ。中国政府は今後、個人所得の増加や都市部住民の社会保障水準の向上に着目するとみられる。
世界銀行のロバート・ゼーリック前総裁がかつて指摘したところによると、中国は発展戦略を改めなければ、「中所得のわな」に陥り、低所得層にかかる経済的な圧力が増大する可能性がある。中国政府は成長モデル変更の必要性を十分に意識しており、今後は内需の拡大、消費の牽引、投資分野の改革などに集中するという。