東京のある携帯ショップで、17歳のハナワニサコさんがソニーのXperiaを購入した。ソニーの携帯は「デザインがかっこ良くて、評判も良い」と彼女は言う。サムスンの携帯はどうかと尋ねてみると、彼女は友人と目を合わせ、嘲笑うかの表情を見せた。「サムスン?聞いたことありません」とハナワさんは答える。サムスンは恐らく世界最大の電機メーカーで、スマートフォン3台に1台が、テレビ5台に1台がサムスンという状態だ。LGもまた韓国企業であり、欧米諸国におけるテレビ、洗濯機の市場シェアは相当大きい。しかし、韓国製品が世界中のほとんどの日本製品を棚卸しに追いやる中、日本だけが例外だ。
韓国ブランドを避けたがるのは、質が悪いからだと多くの日本人が言う。日本総合研究院の経済学者向山英彦氏は、「韓国製品は依然として『安くて質が悪い』というレッテルを貼られ、ある程度年齢のいった日本人までもがそう思っている」とレポートの中で述べている。
しかし、実際はそうではない。『消費者報告』、CNET、またその他のメディアが独自に行ったテストでは、韓国製のテレビ、携帯電話、洗濯機、自動車はどれも日本製品より高い評価が導き出された。日本でも、LGのテレビは現地の評価機関で高い評価を得ている。最近では、HiVi誌にLGの32型、ハイビジョン、3Dテレビの評価は三菱とシャープの製品よりも評価が高いという結果を掲載した。
日本人が韓国製品をあまり知らないのは、関税によって韓国製品が高くなっているのが原因ではない。日本はテレビやスマートフォンを含む多くの韓国製電子製品の関税は徴収していない。
日本人の韓国製品に対する抵抗は消えつつある。2008年、LGは日本でのテレビの販売を打ち切りし、2年後に再開した。現在では日本最大の家電量販店ヤマダ電機、次いで第2のビックカメラは、ともにLGのテレビを並べている。家電量販店ノジマの販売責任者は、LGテレビの販売は好調だが、ソニーほどではないという。LGは若者の間で流行ってはいるものの、若者は年配者ほどテレビを買わないし、年配者はソニーのような日本の有名ブランドを買うという。
韓国製品の質が悪いというのは、日本の今の若者の定着した評価ではなさそうだ。日本では、韓国食品や韓国ドラマが流行し、LGもK−POPのアジア進出に乗じる。大韓貿易投資振興公社助理のByoung-Uk Lee氏は、「これまでとは形勢が変わってきており、それは主に韓流ブームがもたらしている」と指摘する。
昨年、LGのテレビ、スマートフォン、洗濯機、サイクロン掃除機、及びその他の製品の日本での売り上げは6.75億であった。