ロシア紙はBNPパリバのエコノミストの話を引用し、「7月から中国工業生産の伸びが加速、輸出入のデータが予想を上回り、内需も堅調。これらの要素が経済成長を支えている」と伝えた。8月のHSBC中国製造業PMIも50.1となり、50の景況改善ラインを上回った。ゴールドマン・サックスの宋宇エコノミストは環球時報に、製造業の伸びの背景にはいくつかの理由があると指摘。まず、6月末以降政府は財政政策やその他の行政的緩和政策を打ち出してきたが、なかでも都市改造と鉄道建設方面の政策は特に重要だった。次に、6月以降流動性の状況が正常化したこと。最後に輸出の見通しが明るくなったことが挙げられる。8月の新規輸出受注は減ったが、これは7月に大幅に増加した後の小幅の反落だと説明。また、零細企業が対象の一部免税と貸付金利の下限撤廃などによる経済への直接的影響は非常に微弱だが、これらの措置が前向きな政策発信だったと言える。
英エコノミスト紙は、中国の労働力コスト面の優位が薄れつつあることから労働コストの上昇と経済の「硬着陸」を招くとノーベル賞経済学者のクルーグマン氏の中国衰退論を唱えた。ただロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)の ルイス・クイジス氏や北京大学の客員教授、マイケル・ペティス氏ら一部のアナリストはクルーグマン氏の説は正しくないとし、「03年に中国農村部の余剰労働力のポテンシャルは使い果たしたと言われているが、廉価な労働力だけで推し進めていれば、03年に中国経済は『硬着陸』したはず。しかし労働コストが安かった03年以前の中国経済の成長率はそれほど高くなく、逆に03年以降成長の全盛期に入った。新しい経済成長は労働生産率の向上によるもので、廉価な労働力と低付加価値の生産の拡大によるものではない」と指摘する。