▽子会社に問題出れば原因は本社にある
両社の傘下にある海外の石油精製企業は汚染物質排出削減で世界トップレベルにあるが、国内で達成できた削減量は海外でのペースをはるかに下回る。
この事実から、両社の環境保護における「借金」が、特に汚染物質排出削減の取り組みにおける「借金」がわかる。
国は両社に対し、第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)期間中にアンモニア性窒素とNOxの排出量をそれぞれ8%減らし、CODと二酸化硫黄(SO2)の排出量もそれぞれ10%減らすよう求めたが、5分の2の時間が過ぎた12年末時点で、中石油のNOx排出量は減少しないどころか、かえって同8.27%増加した。アンモニア性窒素はわずかに同0.04%減少し、CODは同0.53%減少し、SO2は4.31%減少した。中石化はNOxが同2.52%増加し、アンモニア性窒素は同2.1%減少、CODは同2.3%減少、SO2は同6.0%減少。汚染物質排出削減の達成量はスケジュール的にみて大きく後れており、全国各地のペースにも大きく後れを取っている。
両社の傘下にある海外7カ国の石油製錬企業7社は、生産能力が6650万トンで、1トンあたりの汚染物質排出量は世界のトップレベルだ。
同責任者は、「(両社もその中に含まれる)中央企業(中央政府直属の国有企業)には確かな技術や資金力があり、こうした問題を解決することができる。傘下の企業に問題が起きた場合、その根っこはグループ本社にある」と話す。