今や日本の一般政府債務残高は1000兆円を超え、現在の為替レート(1ドル99.1円)で換算すると10兆ドルを超える。日本人1人あたり約8万6200ドルの借金を背負っている計算になる。この状況は日本の財政法が定める均衡財政の原則に完全に反すると言える。
1947年公布の「財政法」は国債発行を明確に禁止している。1949年から1964年までの16会計年度、日本は財政収支均衡という法定原則を堅持した。日本の赤字国債発行は1975年度に始まった。これは石油危機による経常収支の赤字化が背景にある。財政赤字を補填するために発行する赤字国債を、財政法は認めていない。財政法の制約を突破して赤字国債を発行するために「特例法」が制定された。こうした「特例法」は1年に限って効力を持つ。このため日本の赤字国債は「特例国債」とも称される。だが実際には、1991年度から1993年度までの3会計年度を除き、日本は毎年赤字国債を発行しており、さながら「特例」が「慣例」に変わったかのようだ。