二、企業は自由貿易区をどのように見るべきか。大部分の企業はやはり、自由貿易区を天国のようなものであると考えている。経済学の視点からすれば、今後の市場化改革において、自由貿易区は価格発見機能を確立しなければならない。自由貿易区に進出した企業は、経営モデルを一新する必要がある。そうすることで始めて、グレードアップした世界レベルの企業が生み出すことできる。
規制が多いため、中国での企業経営は難しいとの見方があるが、それも決して筋の通っていない考え方ではない。しかし、成功した企業の背景には政府の権力による後押しがあることも確かだ。経済成長を牽引する要素の大部分は地方政府と国有の経済部門が握っている。土地、採掘権、税収政策、参入の承認、環境保護の基準など、政府がわずかでも改正したり、わずかでも後押しする政策を実施すれば、関連するプロジェクトは利益を手にすることができる。一方、自由貿易区に参入する企業について言えば、規制が緩和されたことで、運営コストを抑えることができるものの、その代わり政府の支援の手もない。自由貿易区の企業は今後、より一層高い基準に直面しながら、国際ルールの下での競争を強いられる。セルフ・イノベーションに挑む企業家精神を鼓舞し、競争とイノベーションを奨励することこそ、中国企業が自由貿易区で成功を収めるための唯一の活路となる。
![]() |
|
![]() |