◇新興市場国が衝撃を受ける
「今回の量的緩和の終了は比較的穏かで、規模が比較的小さい。より重要なのはFRBが市場に米国経済回復のメッセージを出したことで、それがNYダウとスタンダード&プアーズの過去最高記録を支えている」と著名な経済評論家の余豊慧氏は指摘する。「市場はFRBのQE縮小に対して反応を始めたばかりで、今後の市場の状況は代表できない」。
さらに、「QE縮小はゴールドを買い集めている中国のおばさんに最も大きな衝撃を与える」とし、「米国のQE縮小で米ドルが上昇するため、ドル建てのゴールドが中長期的に下落し、貴金属に致命的な災難をもたらす可能性すらある。中国のおばさんを代表とするゴールド投資家の投資リスクが増大する」と警鐘を鳴らす。
余氏によると、QE終了は中国の不動産バブルを崩壊させる可能性があるという。実体経済は不景気で、株式市場は長期低迷しているため、国内外の投資資本がどっと不動産業界に向かい、中国の不動産バブルは異常なまでに膨らんでいる。QE縮小で中国市場の流動性が低下し、あっという間に資金や資本の蓄積量が最も多い不動産市場に波及するだろう。流動性が突然収縮すれば、不動産バブルがはじけ、すぐさま流動性の膨張を支えている金融リスクが爆発するだろう。