ソニー、パナソニック、シャープなどの電子製品大手の巨額の赤字問題が、近年取り沙汰されてきた。ソニーを例とすると、2008年度の赤字額は989億円で、2009年度は408億円、2010年度は2596億円、2011年度は4567億円に達した。
しかしソニーは2012年度に2301億円の営業利益と430億円の純利益を実現し、5年ぶりの黒字を実現した。ソニーの平井一夫社長兼CEOは今年11月12日、「当社は過去18カ月に渡り電子製品復興を主要任務としてきた。2013年は、ソニーの電子事業復興のターニングポイントだ」と語った。パナソニックも今年上半期に、純利益で大幅な増益を記録した。再建中のシャープが同日発表した2013年上半期業績報告によると、主事業の収益状況を示す営業利益が338億円に達し、1年ぶりに半期で黒字を実現した。
しかし業界関係者はまた、「ソニーの収益の多くは、事業ではなく財務面の操作によるものだ」と指摘した。梅氏は、「日本の電子産業の衰退を叫ぶのは時期尚早だ。日本の電子産業の完成品の販売が低迷してるが、重要な中間製品で依然として強みを持つ。長期的に見ると、日本電子産業は重要な中間製品に集中し、中韓とより緊密な産業同盟を形成するべきだ。しかしこの最も理想的な未来が実現されるか否かに関しては、日本の対外政治関係に左右される」と分析した。
安倍首相の経済の「3本の矢」が続々と放たれており、日本の電子産業が再起のチャンスを得る可能性がある。カリフォルニア大学バークレー校のスティーヴン・K. ヴォーゲル氏は、「日本の電子産業に生じた問題とは」の中で、「日本政府はかつて、市場構造再構築の主導者としての役割を演じることが多かった。しかし政府側は改革ではなく、緩慢な調整を実施した。安倍首相が昨年の再任以降に放った『3本目の矢』(構造改革)は、日本経済の長期的な発展のカギとされており、電子産業にも利益をもたらす。政府は開発への支援を強化し、電子産業のインフラ整備を加速し、社会・政府・学校などへの電子製品のPRを力強く推進していく」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年12月21日