だが投資も需要も過去1年間は好調ではなかった。輸出は低迷を続けており、分析によれば、08年のリーマン・ショックの後続的な影響により、先進国の設備投資は不振に陥り、資本の投資を得意とする日本の輸出も低迷した。それまでの急速な円高も輸出に大きな打撃を与えた。現在では円は回復傾向をみせるが、新興経済体の経済が減速しており、企業が円安で利益を得ることは難しくなっている。また生産拠点の海外移転、日本企業の海外生産拠点における現地調達率の引き上げといった問題も、経済成長に対する輸出の貢献を弱めている。
プッテン氏は来年の輸出について楽観的な予測を示し、グローバル貿易が徐々に復興するのにともない、日本の輸出は来年好転する可能性がある。また米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和から徐々に撤退している情況の中で、円安が続いて15年には1ドル=120円になり、今より20%低下するとみられる。円安は輸出にさまざまな価格的優位をもたらすことになるという。