◇円安は米国の製造業回帰はまねできない
米国製造業の国内回帰は米国復活の夢の主要内容の一つだ。中国など新興国の労働コスト上昇に加え、シェールガス革命で企業のエネルギー調達コストが低下したことから、米政府は、米国が再び世界の製造業の拠点になると期待している。
実際にここ数年、フォードやゼネラルモーターズ、ダウ・ケミカルなど大手企業が相次ぎ米国の生産拠点を拡張している。工場建設を計画中の企業を含めるとその総数はこの3年で50社にまで増えた。
これは技術立国を自負する日本にとってもかなり重要なポイントだ。円安で一息ついた日本の製造業だが、円安に頼りすぎて、製品開発力を高めなければ、持続的発展は難しいだろう。