◇「 ジャパン・イズ・バック」に向け提示した夢幻的な復興戦略
安倍政権は2013年6月14日、「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」を正式に閣議決定した。
安倍政権は日本経済の再生に向け、①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略という3つの政策を「3本の矢」として同時展開している。「日本再興戦略」は、「大胆な金融政策」と「機動的な財政政策」を通じて民間の投資活力を回復し、高める「経済成長路線」を掲げている。
アベノミクスの3本の矢のうち、「大胆な金融政策」と「機動的な財政政策」はすでに進められ、経済成長戦略の実行可能性がアベノミクスの成敗を左右するカギとみられている。日本銀行の大胆な金融政策が円安の主因といえる。
2013年4月、円相場がついに1ドル=100円の大台に突入し、4年ぶりの安値となった。円安の影響を受け、トヨタ自動車やソニーなど日本を代表する輸出企業は業績を伸ばしている。また、日本政府も今年度は、円安による価格競争力の向上を通じて、日本経済全体の輸出増加にも寄与すると期待を寄せている。彼らは、大幅な円安で、一部では、海外に移転した生産ラインを国内に戻す動きもでてくるとも考えている。