シンガポールの政治家、李光耀(リー・クアンユー)氏は昨年出版した著書「李光耀観天下」(One Man's View of the World)の中で、日本経済の長期低迷の最大の原因は「人口の激減」にあり、移民を受け入れられない日本の将来について「極めて悲観的」と指摘した。
効率面でみると、日本の指導者の保守的な傾向、視野の狭さも、生産効率の向上を制約している。日本の開発費用は世界トップクラスだが、リーダーに戦略的視点がないため、磨きをかけることにこだわりすぎ、時代の潮流をリードすることができない。時代の潮流を掌握できなければ、競争において風下に立つ。ソニー、パナソニック、シャープのような電機大手がアップル、サムスンに完敗する状況はこれからもあるだろう。ここにこそ日本の長期低迷の根本的原因がある。
アベノミクスは症状に応じて投薬したか?答えは明らかにノーだ。
安倍首相の最初の2本の矢は、財政・金融政策を通じて消費と投資を刺激するのが狙いだったが、今のところ効果は現れていない。