米連邦準備制度理事会は2月に入ってからも米国債の購入規模を縮小し、新興国通貨対米ドルレートを大幅に変動させており、人民元対米ドルレートも一定の下落が予想されている。中国は新興国市場の資金流出の流れの中で独り勝ちになることはないが、拡大を続ける貿易黒字と十分な外貨準備資産により、資金の大規模流出を抑制できる。上半期の人民元の変動幅は大きくなるが、対米ドルレートの傾向の転換点に発展することはない。
先進国は安定成長の流れを続けており、特に欧州の各主要経済国の回復は米国を上回っている。ドイツの成長の流れは安定的で、ギリシャやイタリアなどの国でも改善が見られ、ユーロ高を支えている。日本は第2四半期の消費増税による駆け込み消費が生じ、同時に貿易赤字の圧力に直面しており、円安がやや緩やかになっている。米国経済の悪天候による影響は一時的なものに過ぎず、長期的な回復の流れを変えることはない。極寒の好転、所得および消費意欲の拡大に伴い、住宅着工件数・販売件数もすぐに回復を見せるだろう。米ドル相場の短期的な推移は楽観視できないが、ドル高に転じる時期に期待がかかる。