新興国は発展モデル転換圧力に直面しており、一部の国では政局に乱れが生じている。これに製造業の先進国への回流、米国の量的緩和策終了による国際資本の流出が加わり、中心的な競争力が失われている。この悪い流れを変えるためには、まだ時間がかかるだろう。
人民元相場に影響する経済成長と貿易状況には変化が生じていない。ゆえに国際資本が新興国市場から先進国市場に回流する短期的な要素が薄れるにつれ、相場は再び上昇するはずだ。上半期は相場の双方向への変動幅が拡大すると見られる。
最近の人民元下落について、中国通貨当局が今後の変動幅拡大に備え、人民元安を誘導した面が大きい。人民元相場の上昇の流れは短期的な調整によって変えられない。中国は人民元の市場化により人民元の国際化、資本勘定における人民元兌換の自由化を推進しようとしている。