中国人民銀行(中央銀行)は5月30日、二者間通貨スワップ協定の相手側通貨を初運用し、中韓通貨スワップ協定下の資金4億ウォンを企業の貿易融資にあてたことを明らかにした。英ロイター社はこれによると、総額2.兆5千億元に達する中外通貨スワップ協定の運用は5年以来で初めて。中国と韓国は最近、政治・経済の交流を強めており、今回の融資は、規模は大きくないが象徴的な意味を持つ。人民元の国際化にとっても一里塚となる重要な措置となる。
報道によると、国際金融危機の発生後、中国は2009年から20余りの国・地域の貨幣当局と通貨スワップ協定を締結した。通貨スワップの初運用は、貿易往来がさらに深いレベルへと発展するのに伴い、中国と一部の国との間の通貨決済ニーズが実質的な高まりを見せていることを示すものとなる。
だがこれは、米ドルの地位に挑戦を投げかけるものではない。中国銀行戦略発展部でマクロ経済研究を担当する温彬氏によると、通貨スワップの運用がドル代替の役割を果たすのは確かだが、ドルの地位に挑戦するねらいはそれ自体にはなく、通貨スワップ双方が自身の必要性に応じて相手側通貨を用いるということにすぎない。ある韓国資本銀行のクライアントである中国企業の担当者は、「中韓はスワップ協定を締結しているが、韓国ウォンが使われたことはなく、需要はまだ少ない。両国間の貿易融資の中心はまだ米ドルで、少量の人民元が使われているだけだ」と語る。