投資の減速や工業の減速が明らかとなる中、中国経済の成長が失速し、さらに崖を転落するような下降をたどることはあり得るのか。中国人民大学重陽金融研究院の王文・執行副院長は「あり得ない」と断言する。
王副院長の分析によると、例えば輸出は、国際経済環境の好転によって、中国の輸出状況の改善の兆しが見えている。中国の貿易総額は4月、3586億ドルに達し、前年同月比で0.8%の成長となった。このうち輸出は1885億ドルで成長率は0.9%、輸入は1701億ドルで成長率は0.8%だった。貿易黒字は184億5千万ドルで1.8%の拡大となった。貿易にはすでに改善の兆しが現れている。
投資に目を向けると、4月の固定資産投資は民間投資が40%以上を占めた。国務院の各部門は最近、ターゲットをしぼった微調整政策を頻繁に打ち出している。例えば発展改革委員会は、エネルギー・鉄道・道路・通信などの分野にかかわる80項目の民間投資への開放を実施し、独占の打破や競争の促進をはかり、経済の活力をさらに引き出す措置を取っている。