低出生率と高齢化は、日本の労働力不足の根本的な原因だ。この20年間で、日本の労働力人口は764万人減少した。国立社会保障・人口問題研究所の推算によると、現在の1.43人の出生率を維持した場合、2060年の日本の労働力人口は、2010年の8173万人から4418万人に減少する。
1990年代のバブル崩壊後、日本企業はコストを削減するため、伝統的な終身雇用制を変え、アルバイトと契約社員を大量に登用した。これは「仕事はあるのに人手はない」という現象の、もう一つの原因となっている。
日本の労働力市場の約4割は、非正規雇用者となっている。日本総合研究所の山田久・主任研究員は、「経済学の一般的な法則によると、供給不足は労働力の価値を高騰させる。日本の労働力市場は、人手不足―給与減という法則に背く状態に陥っている。これは給与水準の低い非正規雇用者の大量登用が主因となっている。統計データによると、契約社員のうち、年収が200万円以下の男性は56%、女性は80%となっており、正社員の446万円の平均年収を大きく下回っている」と指摘した。