▽アップルはバックドアの存在認める
セキュリティハッカーのジョナサン・ジジアルスキーさんは25日、アップルの設備からデータを盗み取る方法を明らかにした。こうした「情報提供サービス」が行われていることをアップルのユーザーは知らず、禁止することもできなかった。
問題を指摘されたアップルは、同社の関係者が未公開の技術によって、スマートフォン「iPhone」(アイフォーン)のユーザーのショートメッセージや通信記録、写真といった個人データを引き出していることをやむなく認めた。この技術を利用すれば、「権限を授与した」コンピューターを迂回してバックアップや暗号化を行い、ネットワークに接続したiPhoneに侵入することが可能だという。
アップルの釈明によると、この技術は診断機能サービスに利用されるものであり、企業の情報部門や開発者、およびアップルに故障情報を提供するためだけにあり、ユーザーのプライバシーやセキュリティへの影響はないという。
この回答には多くの疑問が寄せられた。セキュリティ産業のアナリストによると、開発者が使用できるなら、法執行機関もこのツールを利用できるという。情報機関もこのツールを利用できるのではないかと推測する人もいる。昨年に米国でアメリカ国家安全保障局(NSA)による個人情報の収集を告発したエドワード・スノーデン氏はかつて、NSAはiPhoneの電源が切れている状態でマイクを通じて盗聴ができることを明らかにした。このことは後に専門家により確認された。
情報漏洩事件により、アップルは再び集団訴訟に直面することになった。これまでにもユーザー情報の漏洩などが理由で、訴えられている。