この数ヶ月間、経常収支は黒字と赤字を交互に繰り返しているが、貿易収支は一貫して赤字が続いている。今のところ2012年末以降の円安ドル高による改善効果は表われていない。ドル相場はアメリカ経済の好調を受けて9月5日には、5年ぶりの高値となる105円69銭まで上昇している。
日本政府は経済情勢について楽観的な見通しを続けているが、市場の反応は異なっている。景気に敏感な消費者や小売店主らに聞いた8月の街角景気指数は、前月より3.9ポイント低い47.4に下落した。7月の労働者の現金収入は前年比2.6%増と、17年ぶりのプラスになったが、インフレ率を考慮した実質賃金指数は1.4%下落し、13ヶ月連続でマイナスとなっている。このような状況で日本の個人消費が大幅に回復するのは極めて困難である。