財政投融資計画失敗の主な原因は、管理・投資体制の欠陥にある。第一に、政府主導の運営体制によって、資金の多くが経済効果の低いプロジェクトに投じられることとなった。第二に、必要な監督体制を欠き、投資が政治目的に用いられやすかった。第三に、投資を受けた投融資機構のバランスシートが不透明で、有効な監督や管理を妨げていた。第四に、地方政府の投資熱が高く、「ソフトな予算制約」問題が生まれ、その結果の不良債権を中央政府が引き受けざるを得なくなった。
日本の年金制度はピラミッド型をなしており、下から上まで3つの層からなる。土台となるのが国民年金で、法定年齢の国民は加入を義務付けられている。第2層は、収入に応じて支払う厚生年金と共済年金で、国民年金加入を土台として、企業の社員や公務員などの身分の違いに応じて加入する。第3層は、様々な企業年金や商業年金で、企業や個人が自由に加入を決める。第1層と第2層は政府が運営し、義務的な色彩が強く、公的年金と呼ばれている。第3層は私的年金と呼ばれている。
株式市場への消極的な投資戦略
日本の公的年金は資本市場での投資に失敗し、株式市場のバブル崩壊によってポートフォリオを大幅に縮小させた。財政投融資計画は1986年から「年金福祉事業団」を通じて、一部の年金資産を資本市場に投資していた。1986年から2000年までに公的年金の資本市場投資額は27兆円に達し、公的年金資産の20%を占めた。政策の規定によると、公的年金のポートフォリオには「5:3:2」の比率という規制がある。国債などの固定収益類の金融資産への投資が50%以上、国内の株式と国外の流動的金融資産への投資が30%以下、不動産への投資が20%以下とされた。