これまで株の売り材料とされていた「大株主の持分売却(売出し)」が買い材料に変わった――との見方が一部の投資家の間で広がっている。上場会社の株価管理の下、投資家が上場3年後の大株主の売出し解禁を好材料と判断し、売出し前のM&Aなどの資本政策に期待を寄せている。このため市場では大株主の売出し関連株が大賑わいだ。10日付中国証券報が伝えた。
しかし一般投資家にとってM&Aなどに関する情報を入手することは困難であり、実際に利益を得ることは難しい。たいてい大株主の売出し完了や機関投資家が撤退したあと、株価は急落する。いつも損するのは一般投資家である。
大株主が株を「売らない」といえばストップ安、「売る」といえばストップ高――最近の株式市場で見られる現象のひとつである。9月以降、上場会社の支配株主による株式の売出しが増加しており、高新興や天晟新材など数社が公告を発表した。これらの銘柄の株価は9月以降急騰し、その値上がり幅は中小板(中小企業向け市場)や創業板(新興企業向け市場)の指数の上昇幅をはるかに上回っている。株の売りし前後に発表された好材料に惹かれ、機関投資家と個人投資家が相次いで参戦している。
株の売出しは従来の株価の圧迫要因から、押し上げ要因に変わっている。また最近大株主は一部の株の譲渡をプライベートエクイティファンドやM&Aファンドなどの新方式で行っている。大株主から機関投資家への譲渡が行われた場合の市場に与えるメッセージは、「M&Aなどの資本政策が両社によって強力に推進され、会社のモデルチェンジが成功し、株価が上昇する」というものだ。