しかし株の売出しには、大株主と機関投資家が水面下で手を握っている可能性がある。まず機関投資家が安値で株を集める。会社がグローバル型のモデルチェンジやM&Aなどの資本政策の情報を市場に流す。株価が上昇したところで大株主が売出しをする。機関投資家も引き受ける。会社がさらに好材料を発表する。大株主の売出しが完了すると機関投資家は市場での買い支えをやめる。株価が下落を始める――というストーリーだ。
強力な株価管理やM&A予想は株価の大きな押上げ要因であるため、一部の上場会社はニセのM&A情報を流し、投資家をだますこともある。――M&Aを発表して株価を吊り上げる。大株主と関係者が売り抜ける。M&Aの失敗を発表する――というものだ。中には客観的な原因でM&Aが失敗する場合もある。その場合には、その後の新たなM&Aが成功する可能性もある。上場停止になった銘柄が、再上場でストップ高するのがその例だ。
大株主が売出しの前後に好材料やM&Aを発表することについて、ある業界内の関係者は、「一部のM&Aは株価管理のためであり、市場の人気を高めるためだ。上場企業の利益獲得能力を高め、会社のモデルチェンジに本当に役立つかは未知数」という。さらに「資本政策というトリックで大株主が高値で売りぬけ、その後に機関投資家も鞘をぬく。そして“お祭り”のあとに、高値掴みをした個人投資家が泣かされるというのが毎度のパターン」と付け加えた。
「中国証券報」より 2014年10月12日