▽中国を選ぶ戦略的意義
これらのほかにも、ASEANの高速鉄道建設に中国が参加することにはさらに深い意義がある。
李天国氏によると、ASEANの多くの国々と中国とはこの地域で共通する経済的・政治的利益を持っている。「『21世紀の海上シルクロード』の重要な通り道として、ASEANの物流網の発展は、中国とASEANの間のさらに緊密な経済貿易協力を推進するものとなる」
薛旭氏も同様の見方をしている。ASEANの多くの国々は中国と国境を接しており、中国との高速鉄道分野での協力は、物流と運輸の効果を大きく高める働きを持っている。
薛旭氏はさらにこう指摘する。「中国の物流の発展は成熟度を増している。東南アジア諸国が高速鉄道を発展させる最終的な目的は、経済利益を高めることにある。多国間の貿易を成長させるには、ほかの国々との交通を発展させる必要がある。シンガポールを例に取れば、もし高速鉄道ができれば、航空運輸の経済的な圧力を大きく緩和することができる」。
薛旭氏はさらに進めて、「中国とASEAN諸国は、『市場を技術と取り替える』という方式を取り、一部の中国市場を開放することも考えられる。日本の口先の『ゼロコスト』よりも大きな利益を上げることができるはずだ」と指摘した。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年10月13日