企業景気予測調査の結果によれば、2014年第三四半期、自社利益が「正常水準」或いは「正常水準を上回る」と思われる工業部門企業経営者の割合が77.1%と、前年同期の76%を上回った。また、鉱業利益の景況感指数が分岐点の50割れとなった一方で、製造業の利益景況感指数が80%近くとなった。このことは業界間の業績分化の拡大を浮き彫りにしている。今年1-8月、一定規模以上の鉱業企業の利益は13.4%減であるのに対して、製造業企業の利益は13.5%増となっている。特に自動車、鉄道・船舶・航空・宇宙飛行輸送設備、電気機器、IT設備といったハイエンド装備の製造業企業の利益伸び率がいずれも20%を超えている。
このような利益構造の変化は投資意欲の変化にもつながっている。産業構造グレードアップと関連する生産性サービス業への投資は顕著に拡大している。今年1-9月、ITサービス業、リースと商業サービス業、科学技術サービス業への投資伸び率はそれぞれ34.4%、37.5%、38.4%と、全業界の投資伸び率より20ポイント高くなっている。一方、川上にある鉱業及びエネルギー消費量の高い原材料業界への投資意欲は明らかに減少する一途をたどった。