今年第3四半期のデータを見ると、中国経済のファンダメンタルズ、財政・金融状況、国際収支の状況は比較的安定している。10月30日のデータによると、2014年第3四半期、中国の経常収支が5017億元の黒字、資本・金融収支が5021億元の赤字となり、国際準備資産は4億元減少し、収支のバランスがとれていた。中国国家外為管理局国際収支司の管濤司長はこのデータについて、「中国の国際収支の自主的バランス構造の実現に有利であり、中国人民銀行(中央銀行)のマクロ調整改善、金融政策の操作余地拡大に有利な条件が整った」と指摘する。
第3四半期の資本・金融収支の赤字拡大は、QE終了の予想を反映したものだったが、丁教授はこれで国際収支にコントロール不能なほどのアンバランスが生じることはないと予想する。
しかし、米国の金融政策が正常に戻った後、中国は穏健な金融政策を堅持するという前提の上で、わずかな調整を行う可能性がある。民政証券研究院の管清友・執行院長は「QE終了により、中国の外国為替資金残高の減少傾向が強まり、中央銀行の資金投入ルートの転換が推進されるだろう。来年も、借り換え、担保付き補完貸出(PSL)、短期流動性ファシリティ(SLF)といった貸出ツールが引き続き頻繁に使用されると見られる」と指摘する。
もちろん、QE終了がもたらすものがリスクばかりとは限らない。丁教授は「QE終了に対応するため、中国の金融政策もリスクヘッジを行う余地が多くなり、これは中国の金融政策の自主性回復にとって積極的な意味を持つ」と指摘する。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年11月3日