秋深まる11月、北京でAPECリーダーズ・ウィークが開催される。これは、2008年北京オリンピックに続き、中国の首都・北京が迎える超大型国際イベントのひとつだ。2001年の上海APECから丸13年が経過し、新しい歴史的な節目を迎えようとしているこの時期、中国が再びホスト国となったこのビッグイベントに、一体どのような見どころやハイライトがあるのだろうか。北京晨報が伝えた。
1 世界最大の自由貿易圏構想の実現へ一歩前進
中国太平洋経済協力全国委員会の呉正竜・副会長は、次のような見方を示した。
今年のAPEC議題のうち、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の交渉開始は、重要議題の一つである。この構想は、カナダが2004年に提出したのが発端だが、ずっと口頭議論の段階にとどまっていた。APEC加盟経済体の各首脳は、この10年間、「アジア太平洋自由貿易圏を構築しなければならない」との共通認識について話しあってきた。毎年、首脳声明には、「自由貿易圏の構築」実現を希望する記述が見られた。今年、APEC各首脳の希望に留まっていたことが、実際的な行動指針に変わり、貿易圏構築に向けた実質的な第一歩が踏み出されることが期待される。
今年のAPECでは、FTAAP実現に向けた道筋とFTAAP相互協議メカニズムが発表される見込みだ、アジア・太平洋地域では現在、56種類の自由貿易協定が締結されている。中でも最も重要なものは、TPP(環太平洋パートナーシップ)とRCEP(東アジア包括的経済連携)という2つの経済連携協定だ。TPPには中国は含まれておらず、RCEPには米国が含まれていない。この2大経済連携を、互いの足を引っ張り合うことなく、いかにしてうまく連動させていくかについては、相互協議メカニズムが極めて大きな鍵を握る。FTAAPの実現によって、重複や消滅といったリスクを回避し、アジア・太平洋地域経済一体化建設にとって重要な一歩を踏み出すことが可能となり、重要な一里塚としての意義がある。