▽重要部品の国産化はまだ コスト高の原因
蘇副部長は、「中国の工業用ロボット産業は急速に発展しているが、先進国と比較すれば、なお大きな開きがある。中国独自ブランドの工業用ロボットは3軸の座標型ロボットと4軸の多関節型ロボットが中心で、6軸の多関節型ロボットが全国の工業用ロボット販売台数全体に占める割合は6%にも満たない。外資系ブランドが販売する工業用ロボットの多関節型ロボットが国内の工業用ロボット販売台数全体に占める割合は62%に達する。独自ブランドロボットは国民経済の各分野の発展ニーズにまだ全然対応できていない」と話す。
現在、中国の工業用ロボット企業が真にもうけを出すことができる事業はシステム集積だ。重要部品はまだ国産化を達成したとはいえず、国産ロボット本体のコストは海外メーカーよりもはるかに高く、事業規模の拡大を難しくしている。165キログラムの6軸多関節型ロボットの場合、現在の海外製品のコスト総額が16万9千元(1元は約18.6円)であるのに対し、国産ロボットは29万9千元にもなる。減速器だけでも、国内メーカーの調達価格は海外企業の約5倍で、価格差は7万元を超える。
上海通用(瀋陽)北盛汽車有限公司の第3期車体製造現場の賈永泉経理(マネージャー)は、「設備調達の入札で、企業はこれまで国産ブランドの溶接ロボットを検討していたが、評価の結果、精度や信頼性が十分ではないことがわかった。重要部品を輸入に頼るため、価格は海外製品を70~80%上回る」と話す。