注目すべきことは、CPIが6か月連続で前年同期比3%増となる中で、日本国債の収益率が最低値を更新しつづけることだ。10月31日現在、5年物と10年物日本国債の収益率は年初と比べ、それぞれ12.7、28.3ベーシスポイント低く、0.12%と0.46%になっている。日本国債の投資相手は9割以上が国内投資家だ。日銀が量的緩和を通じて国債を購入しつづけるにもかかわらず、国債の主要投資家は依然として日本住民である。インフレ指数が上がり始めた現在、日本住民は低収益の国債を見捨てて高収益資産に金を回す行動を取るどころか、国債の人気が一層高まっている。そのアンノーマルな行動の背後に、日本の投資家は本国経済の先行きに対する自信がない上にハイリスク・ハイリターン資産へのリスク選好も高くない、日本経済のデフレ脱出に対する安定的期待感ができていない上にインフレに強い、ハイリターン商品へのニーズも高まったわけではない、ということが伺える。
国際格付け機関フィッチ・レーティングスはこの頃、日本のソブリン格付けをAAマイナスからAプラスに引き下げ、見通しを「ネガティブ」とした。このことは日本経済に対する国際市場の見方でもある。日銀によるQE規模の追加拡大は、市場の自信を高まるどころか、「アベノミックス」が直面する試練の厳しさを一層露呈し、投資家の懸念をあおっている。国際通貨基金(IMF)が発表した最新の「グローバル経済展望」では、年初の日本の経済成長率に関する予想を1.7%から0.9%に引き下げ、2015年の日本の経済成長率がさらに0.1ポイント下がると予想している。日本経済の行き先は決して楽観できるものではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年11月6日