「ウォール・ストリート・ジャーナル」22日付の報道によると、安倍晋三日本首相は、12月14日の衆議院選挙は安倍政権の経済政策「アベノミクス」の是非を問う国民投票だと話しているが、厄介なことに、アベノミクスがもたらした利益は一部の分野に集中しているだけで、そのマイナス効果が影響を広く及んでいる。
報道は次のように指摘した。過去一年間、日本経済を影響する二大最重要政策は日銀による大規模な金融緩和策と消費税率の引き上げだ。日銀の金融緩和策は短期的に大幅な円安相場を誘い、日本の多国籍企業に記録的な大幅な利益上昇(要因は日系企業の海外利益の円換算による上昇分)をもたらし、これら企業の株価も大幅に上昇している。
しかし、円安は輸入価格の大幅な上昇も押し上げ、海外未進出中小企業の経営を圧迫し、物価上昇のスピードが賃金のそれを上回る結果を招いた。さらに、消費税率引き上げは経済の2四半期連続のマイナス成長を招いた。しかも、中低所得者が消費税の最主要負担者になっている。
これで、日本株の持ち高を増やしているグローバル証券会社の評価と日本世論との食い違いを解釈することができる。「朝日新聞」21日に発表したアンケート結果によると、アベノミクスが成功したと答えた者が30%、失敗したと答えた者が39%だった。また、今年9月に行われた日銀の調査結果によると、一年前と比べ自分たちの生活がより良くなったと答えた世帯が5%未満で、悪くなったと答えた世帯が48.5%と、3月の調査結果より10ポイント上昇した。