大規模な量的緩和策の刺激を受け、日経平均株価は7年ぶりの高水準を記録した。東京証券取引所の日経平均株価は12月8日に1万7935円に達し、2007年10月ぶりの高水準となった。この数値は2011年末のほぼ2倍に相当する。上場企業1250社の4−9月の経常利益合計は、前年同期比9.58%増の17兆3000億円に達し、2億円以上増加した。雇用情勢が大幅に改善され、雇用者数が100万人以上増加し、失業率も17年ぶりの低水準となる3.5%に低下した。企業の業績改善により、社員の給与と家庭の所得が増加している。
しかしアベノミクスは急激な円安、物価の大幅な上昇、貧富の格差の拡大、政府債務の記録更新といった事態を招いている。社員の名目上の所得は増加しているが、物価上昇や消費増税などの影響を受け、実際の購買力は低下している。
総務省が発表したデータによると、今年10月の勤労者世帯の現金収入は前年同月比0.5%増となった。物価上昇や消費増税などの影響を除くと、実質的な賃金は2.8%減で、16ヶ月連続の減少となった。大多数の勤労者世帯は、これまでよりも家計が苦しくなったと感じている。実質的な生活費が増加していることで、金融資産を持たない低所得者が増加している。