中国中央政治局は5日の会議に、自由貿易区戦略の実施を加速し、開放型の経済新体制の構築を急ぐとする意見を提出した。 業界関係者によると、意見には中国が「一帯一路(陸と海のシルクロード経済帯)」の沿岸国・地域と自由貿易区を建設する案が盛り込まれており、
今後、中国とこれらの国・地域による自由貿易区の建設が早まる可能性が高いという。すでに決定しているとされる「一帯一路」基本計画案の骨子としては、▽インフラ整備の強化▽相互連結の高度化▽経済貿易協力の充実などが示され、世界をつなぐ経済回廊として、▽中国―シンガポール▽新ユーラシア▽中国―イラン―トルコなどの具体策も記されているという。いずれの経済回廊も自由貿易園区(港区)の方式で建設される。
現在世界の自由貿易区には、米国を中心とする北米自由貿易区と、ドイツを中心とするユーロ貿易区、中国を中心とする中国―アセアン自由貿易区があり、“鼎立”状態となっている。今後は中国とその他の国との自由貿易区交渉が加速することから、世界の貿易地図は“小国対立の春秋時代”から“強国による統合の戦国時代”に入っていくと見る専門家もいる(中信証券の諸チーフエコノミスト)。